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身の回りの出来事系エッセイ−4

はちまき

1997年12月17日執筆

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 毎年、外国から様々なミュージシャンが日本にやってきてライブを行う。
 中でも私が特に思い出深いのは、マイケル・ジャクソンの初来日公演だ。
 高校一年の時、ミーハー根性丸出しでスリラーとビート・イットぐらいしか知らなかったマイケル・ジャクソンを見に、横浜スタジアムで行われたライブへわざわざ行ったのだが、この時起こった様々な出来事は、ここでの連載に充分耐えられるほど面白くて内容が深かった。まあ、この件に関しては、いずれ書くこともあるだろう。
 ちなみに、この時、マイケル・ジャクソンが繰り出すムーンウォーク(足は前に進んでいるように見えて、身体は後ろに行くという、ブレイクダンスの技)を必死になって覚えたが、私生活で使えた場面は一度としてなかったことを明記しておこう。

 さて、外国のミュージシャンというと、日本特有の小道具をさりげなくライブで使いこなし、なおかつかっこいいというのがある。
 例えば、ストーンズの初来日公演の時、ミック・ジャガーはファンから受け取った天狗の面かなんかをつけて、客席前方を歩いていった。私は彼のファンでも、ストーンズのファンでもないが、この時に限っては彼のさりげなさが心底かっこよく見えた。逆に、日本人ミュージシャンがアメリカに行って、スーパーマンの格好をしたら単なる馬鹿だろう。
 まあ、ミック・ジャガーの例を挙げるまでもなく、往々にしてどんなに和風な小道具を身につけても、大抵かっこいい外国のミュージシャンたちであるが、たまに「それはないだろ」と言いたくなる時もある。
 友人の泉君から聞いた話である。
 彼はハードロックファンなのだが、中学生の時、好きなハードロックバンドが来日して、彼らのライブを喜び勇んで見に行ったそうだ。
 席はわりと前の方で、演奏も素晴らしかったらしい。
 そしてアンコール。
 颯爽と出てきたボーカルの額に、泉君は何か白い物が巻かれているのを発見した。席が前の方だったために、それが何か彼はすぐにわかった。
 はちまきである。
 はちまきというと、京都のおみやげ屋に売っている闘魂はちまきが、彼ぐらいの年齢だとすぐに連想される。彼も実際にそうだと思ったらしい。
 ところが、よくよくはちまきに書かれていた字を見ると、それは『闘魂』ではなかった。
 ではなんと書かれていたのか。
 ハードロックバンドのボーカルの額に燦然と輝いていたその文字とは

 合格  

 であった。多分、そういうシーズンだったんだろう。

 合格はちまきを巻きながら、ハードロックを歌う外国人ボーカリスト。
 想像していただきたい。

 本当にかっこ悪い。

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