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恋愛系エッセイ−4

確信犯

1998年11月22日執筆

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 以前、とある恋愛相談系掲示板を見ていると、女性の、こんな書き込みを目にした。

 私には最近、チャットやメールで親しくしている人がいます。お互い恋人がいるのだけれど、相手のことが気になっているんです。もしかしたら、恋をしているのかもしれない。そして、私たちは二人で会うことにしました。どうなるかはわからないけれど、それがベストの選択だと思うから……。

 どうやらお互いに好意を抱いているらしい。恐らく、姿の見えない相手に理想を見てしまった、というような状態なんだろう。
 そして、二人っきりで会った後、彼女はまた掲示板に書き込んだ。

 彼と会いました。メールやチャットとまったく変わらない人でした。会ってすぐ、この人は友達なんだと思えました。今、なんだかとても嬉しい気分です。彼とはこれからも、親友のような付き合いをしていきたいと思います。

 相手の彼の容貌は、彼女の好みから大きくずれていたようだ。「会ってすぐ、この人は友達なんだと思え」「親友のような付き合いをしていきたい」というのは、文章を見る限り、全部彼女がそう思ったという話で男の気持ちなんてまったく考えていないように見えるがこの先大丈夫なんだろうか。

 しばらくして、彼女は相談という形で書き込んだ。

 この間会った彼が、私に恋愛感情を持っちゃったみたいなんです。私はそんなつもりがなくて、親友として付き合えたらいいと思っているのに。この間なんて、電話とチャットで5時間も拘束されて、切ろうと思っても向こうが「寂しい」などと言ってくるので切れません。そんなこと言われても本当は困ります。付き合っているわけでもないのに! どうしたらいいんでしょう?

 まあ予想された結果だと言えるだろう。相手の気持ちを考えずに親友扱いして誤魔化そうとしても誤魔化しきれるものではない。親友という言葉で逃げて、はっきりと解決しなかったことが失敗だ。付き合えないなら付き合えないと会った時に言うべきだったと思う。それに、もし親友というのは、なんでも言い合える関係がそうなのではないだろうか。不特定多数の人間に晒される“親友”が気の毒だ。
 親友という言葉は付き合っていて別れた相手に使うには都合がいいと思うが(とりあえず、特別扱いしているんだよ、ということを伝えて暴走するのを避ける意味で)、ネットでちょっと話して一回会った相手に軽々しく使うものではない。

 この後、彼女がどういう行動に出るかはわからないが、中途半端に逃げれば逃げるほど、悲惨な結末が見えてくる。

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