メールフレンド 第104回

Subject: (無題)
  Date: Fri, 8 Dec 2000 12:27:34 +0900
  From: "yyyyyyyyyy" <yyyyyyyyyy@e-mail.com>
   To: "鈴木 冬也" <AYGH12563@bubble.ne.jp>


正真正銘、轟君の友人です。轟君の実家と彼が住んでいたアパートの画像を添付しておき
ます。あなたは轟君の家を見ているそうだから、それで確認出来るでしょう。

犯人のメールを受信出来るのは、轟君のアドレスとパスワードをそのまま使わせてもらっ
ているからです。昔、ソフトを使ってメールサーバーに接続するためのパスワードを見た
ことがあるのです。まあ、イタズラのつもりで。彼はセキュリティには無頓着で、使われ
てたパスワードは簡単な英単語でした。

彼はプロバイダと年契約をしていたようで、その契約は今年いっぱいで切れます。それま
では彼宛のメールを読むことができます。

ハッキングとかクラッキングっていうと、コンピューターになにか難しい計算をさせてセ
キュリティを突破するというイメージがあるかもしれませんが、そういうものばかりでは
ないのですよ。私が轟君のメールを読める理由だって、タネを明かせば簡単なことだった
でしょう。

ソーシャルハックというものがあります。

掲示板に書かれていたちょっとした個人情報、チャットでの会話、オフで会った時に交換
した携帯番号、オフで撮った写真、そんなものを溜め込んでおいてあとで使ったりするの
です。

オフなんて、ハンドル適当に考えて勝手に参加すればいいわけです。むかつく相手が参加
するオフに行って、相手の情報を出来るだけ取得する。

向こうはよく覚えていないから、お前の家の住所を調べてやる、なんて掲示板で発言して、
本当に住所をメールで送りつけてやるとひどく動揺する。うざい相手はそうやって精神的
に追い込んでネットから消してやります。

轟君を殺した犯人はそうやって追い込める相手かどうか。私もいろいろと考えている最中
です。まあ人を殺しているわけですからね。彼の言葉通りなら3人。ネットから消すだけ
ではなくこの世から消さなければいけませんが。

事件の真相ですが、残念ながら教えられません。その理由は言えません。ただ、あなたに
言っておきたいことがあります。

犯人に騙されてはならない。

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