メールフレンド 第110回
Subject: 教授のこと
Date: Sun, 10 Dec 2000 12:38:19 +0900
From: "鈴木 冬也" <AYGH12563@bubble.ne.jp>
To: iceice@freeml.com
皆さん、こんにちは。すっかりご無沙汰してしまいました。
本当はこういう時だから定期的に連絡をしなければいけないの
にごめんなさい。
土曜日、新幹線で大阪へ行きました。田中一平という人と教
授が同じ人なのか確かめるためです。大阪に着いた後、その足
で田中一平さんのアパートと大阪府警へ行きました。
これから皆さんにお伝えすることは、大阪府警の公式見解で
す。今日の午後に発表するようです。
犯人のメールにあった田中一平さんと、メーリングリストに
いた教授は同一人物です。……本当に、本当に本当に残念です
……。ほんとに残念です。悔しいです。
……パックの友達という人からのメールに、違法ソフトを販
売していたとありますが、それが本当なのかどうかわかりませ
ん。メーリングリストを一番盛り上げてくれた、僕はそういう
教授しか知りません。
僕は刑事さんから写真を見せられました。ビジネス手帳が写
っていました。そして、12月24日の所に「オフ会」とボー
ルペンで書いてあって赤いペンで○がしてありました。刑事さ
んの話によると、他人との予定はこれしかなかったそうです。
楽しみにしてたんやろなって……。
なんか、すごく表現しづらいけど、メールって誰が書いても
同じ字になるから個性が伝わりにくいっていうか、そんな部分
があると感じています。だから、僕は教授の手書きの字を写真
で見て、教授という人間が確かにいたということを思い知った
っていうか、なんかわかりづらいかもしれないけど、モニター
の向こうにもやもやとして座っている影みたいな人なんじゃな
くて、実際に大阪という土地で生きていて、ご飯とかも食べて
いて、ビジネス手帳を買って、僕が決めたオフ会の予定をボー
ルペンで記してくれて、そうやってちゃんと僕と同じように普
通に生きている人なんだってわかって、胸がいっぱいになった。
だけど、教授はもういないんです。焼かれて灰になってしま
ったんです……。
犯人から犯行予告のメールが届いた時、もっと早く対処出来
た。JIROやきょうこが警察に早く知らせろって言ってた。それ
なのに僕は話が大きくなるのが怖くて、何もしなかった。あの
段階で届けていれば教授だって、パックだって死なずに済んだ
と思う……。
今度の事件は僕のせいです。僕がやったようなものです。
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とーや
YOKOHAMA
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