メールフレンド 第132回
Subject: 草薙です
Date: Tue, 12 Dec 2000 20:24:17 +0900
From: "kusanagi" <kusanagi_e@coolmail.com>
To: "鈴木 冬也" <AYGH12563@bubble.ne.jp>
ご無沙汰していました。草薙です。
事件のこと、あちこちで話題になっていますね。私の職場でもパソコンとは
縁もゆかりもないようなおばさんがメーリングリストがどうこうという話を
しています。ワイドショーが犯行予告メールの存在と、それは現在でも流さ
れているということを伝え、人々の好奇心をくすぐっているようです。
いったい、どこからこういった情報が漏れてしまうのでしょう。やはり警察
からなんでしょうか。情報を流すことで犯人を牽制しているのかもしれませ
んが、私はあまり賛成出来ません。必ず、迷惑を被る人間が出てくるからで
す。
とーやさんの元には変なメールは来ていませんか? もし届いているなら、
アドレスを変えるというのも一つの手だと思います。
先日、たまたま立ち寄った書店で興味深い本を見つけました。犯罪心理を分
析しているような本なのですが、ここに連続殺人犯の典型的な行動パターン
というのが載っていました。全部で七段階あるのですが、重要と思われる最
初の三段階を書き出しておきます。
まず第一段階は「前兆」です。家に引きこもり、悪夢に近い空想に浸り、放
火や窃盗などの犯罪行為に走るそうです。犯罪行為の中には動物虐待なども
あるかもしれません。
第二段階は「トローリング」です。人間の殺害を決意し、外へ出かけていき
ます。今回のケースなら、ネットでアクティブに発言し始めるということに
なるでしょうか。
そして第三段階が「求愛」です。相手が自分に対して信頼を抱くように罠を
仕掛け、はまるのを待つのです。
この後、捕獲、殺人、トーテム(連続殺人犯は犠牲者から記念品となる物を
持ち去ることが多いそうです)、鬱状態と続くわけですが、三番目の「求愛」
が気になって仕方ありません。
メーリングリストの中に犯人がいるという前提で話をします。犯人は狙いを
定めた相手に個人的なメールを送っているのは間違いないと思います。教授
さんもパックさんもそれで誘き寄せられたはずです。
メールがどんな内容なのか知る由もありませんが、もし、犯人と被害者の間
に信頼関係が築かれてしまったら、誰がどんな呼びかけをしたとしても被害
者は犯人の方を信じ、犯人の言う通りの行動を取ってしまうのではないでし
ょうか。人間は、自分にだけ特別な好意を寄せてくれる人に弱いものです。
その人が社会的に見て悪人の類であったとしても。
犯人が犯行後の鬱状態から脱したのであれば、今、誰かに個人的なメールを
送り続けて、「会おう」と言っているのではと推測されます。勿論、その誰
かを殺害するためです。
守ってほしい、守りたい、不安だから会ってほしい、どんな嘘でも今の不安
定な状況なら騙されてしまう人もいるのではないでしょうか。
メーリングリストの誰かが犯人に信頼を抱いてしまう前に、とーやさんは個
人的に誰かと会うことを禁止すべきだと思います。
部外者がこんな一方的な意見を述べるなんて、とーやさんに対して失礼だと
いうことは百も承知です。
しかし、そうであっても僕はメーリングリストのメンバーです。せっかく知
り合えた皆さんが、こんな凶悪な事件に巻き込まれるのをただ見ているのは
とてつもなくつらいんです。
どうかお願いします。
草薙
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