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 イチローの挑戦は成功するか
 メジャーに挑戦する天才打者

 ポスティングシステムによるイチローのマリナーズ入りが決定した。肩も脚もあり、バットコントロールが抜群なイチローは早くからメジャーリーグ向きと言われていたが、ここ数年、相次ぐ怪我など体力面の不安も指摘されている。イチローは果たして夢のメジャーで成功を収めることが出来るのだろうか――。

【3割】

 メジャーリーグに詳しい作家、荒嶽道哉氏は「メジャーはツーシームと呼ばれる、直球でも微妙に動くボールが主流。しかし、ホームランバッターではないイチローならうまく当てることが出来る。転がせば内野安打に出来る脚もあるので、3割はかたいのではないか」と見ている。実際、メジャーリーグのスカウトの多くは、「イチローはメジャーでも3割を打てる」と断言している。だが、異論を唱える向きもある。

「序盤はイチローといえども苦労するでしょうね。セットアッパーと呼ばれる日本で言うところの『中継ぎ投手』が155キロ近くの速球を投げ込んでくる世界。抑えであるクローザーは160キロを超えてくる。エンゼルスのクローザー、パーシバルは直球だとわかっているのにあまりに速くてまったく打てない。最終的には捉えるだろうが、2割8分、ホームラン10本、打点50、盗塁50で合格でしょう(スポーツ紙記者)」

【新人ゆえの苦労】

 メジャーリーグでは、独特の「新人いじめ」があると言われている。ストライクのゾーンが微妙に狭くなったり、報復対象に選ばれることが多いという。

「当てられたら当てるのが向こうの野球。もし味方が当てられたら、新人のイチローを狙うんじゃないですか。新人ですから、そんなに波風も立たないし(荒嶽氏)」

 また、こんな見方もある。イチローはバットを立てて投手に向け、それから構えるという独特の動作をする。それが、向こうのピッチャーの神経を逆なでするというのだ。

「ホームランを打った時、サヨナラホームランでもないのに派手に喜んだり、変に格好つけたりすると間違いなく当てられますね。ランディ・ジョンソンが近鉄の中村がホームランを打った時のVTRを見たとき、『これほんとなの?』と目を丸くしてましたよ。アメリカであんな豪快にバットを放り投げたら間違いなく次の打席でやられます。イチローの構えは、向こうの投手から見ると喧嘩を売られているように感じるかもしれません(スポーツ紙記者)」

【それでも成功する】

 いろいろな意見はあるが、最終的に3割を打ち、ゴールドグラブ賞もいけるのではないかというのは共通している。

「イチローのスピードと華麗な守備は、間違いなく向こうのファンを驚かせるでしょう。目の肥えたアメリカのファンに支持されれば、オールスター選出だって夢じゃない(荒嶽氏)」

 投手が通用することはわかった。日本人打者として初めてアメリカへ乗り込むイチロー。果たしてどんな活躍を見せてくれるのだろうか。

2000/12/14



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