2010年12月31日、東京ビッグサイト(東京国際展示場)にて世界最大の同人誌即売イベント『コミックマーケット』を見てまいりました。生まれて初めての経験です。有明に来たのは島田奈美(島田奈央子)のファイナルコンサート以来、20年ぶり。
GIGAZINEみたいに画像中心にレポートを組み立てようと思っていたんですが、撮るのがなんとなく場違いな雰囲気があったので、一枚も撮らずに帰りました。なので、「コミックマーケットというイベントはニュースサイトなどでよく目にするので一定の知識はあるけど、具体的にはよくわからず、行った人が身近にいるならあそこはなにがどうなっているのか聞いてみたい」と思っている人に対しての想定問答集のような記事にしてみます。
コスプレしている人って本当にいた?
Photo by:White Cat
本当にいました。ニュースサイトによくある撮影会のような光景は見られませんでしたが、『侵略!イカ娘』のイカ娘とか『ベルサイユのばら』のオスカルとか、いろんな格好をした人たちが普通に歩いていました。ただ、サークルの人たちを除くと割合は多くないです。数百人いて一人という感じに思えました。
コスプレイヤーを間近で見てどう思った?
サッカーのワールドカップとかオリンピックとかスポーツの大きな国際大会で、顔中にペイントしたり、面白い格好をした人たちがいますけど、そういう人たちを現場やテレビで見ると、「ああ、お祭りらしいなあ」と思いますよね、多分。コスプレイヤーを見ても同じ感想です。電車の中で見たらびっくりすると思いますが、そういうイベントが行われている会場でならお祭りを楽しんでいる人にしか見えません。
写真で見るようなひどい混み方してるの?
Photo by:Kobak
行った時間が午後2時とだいぶ遅かったから断言はしませんが、あの手の画像はある種のトリックで、4:3の視野にできるだけ人を入れ、しかも俯瞰した位置から撮って列と列の間のスペース(通路)を消して、混み具合を実体より大袈裟に見せているところが多分にあると思います。
確かに人はたくさんいますが、密度という意味ではどこかの花火大会とか、どこかの初詣とか、それほどスペシャルではないイベントより空いているんじゃないでしょうか。中は歩きたい速さで歩けました。少なくとも「コミックマーケットはこんなに混んでる」的な画像から受けるイメージよりは快適です。
トイレは長蛇の列だった?
これも行った時間によりけりなんでしょうけど、待ち時間なしでした。
お誕生日席ってどこのことを言ってるのかわかった?
会場内では、机が、
Photo by:Grand Velas Resort
↑こんな感じで、中央にスペースを作る形で長方形に並べられているんですが、その短い辺の部分を言ってるんだと思います。会場に入るとこの短い辺が正面に来るから、受け付けみたいな席ともいえますね。
壁サークルってなんだった?
会場は巨大な体育館みたいな感じで、中に机が並んでいるわけなんですけど、そこから離れて壁を背にした形で机が並んでいるスペースがあるんです。
普通のサークルは遠足のバスの補助席を使っているって感じだとすると、壁サークルはバスの一番後ろの長くてつながっているシートを独占している感じです。見てすぐわかるぐらい、使える面積が圧倒的に違いました。
サークルの人たちはどんな感じだった?
とりあえず、
- どうぞ見ていってくださ~いと常に声を出している人
- 無言の人
- PSPでゲームをしている人
がいて、常に声を出している人は出し慣れている雰囲気があったので、売り子専門の人たちだったのかもしれません。大抵の人が無言です。二人、三人と複数でいるサークルが多かったですが、一人のところも結構ありました。一人でいる人はだいたいどんよりとしていましたが、ああいった場で一人なら誰でもどんよりすると思います。
女性の参加者はどんな感じだった?
顔が小さい人が多かったです。
インパクトのあった同人誌は?
国道を研究するといったようなテーマの本を置いてあるスペースがあり、国道のなにを研究しているのか、なにが書かれているのかものすごく気になりました。買えばよかったです。
儲かってる感じだった?
千円札を透明のポリ袋に無造作に突っ込んでいるサークルがあって、現金つかみ取り大会を開催できそうなぐらい入ってました。
と、まあ
だいたいこんな感じでした。
なんていうか、仕事としてコミケ体験記を書けといわれたら、身長2メートル、体重100キロぐらいありそうな人が女性キャラのコスプレをしていて云々とか、わざとカルチャーショックを強調するかもしれませんし、テレビでの報道もそんな感じですけど、意外と普通です。普通っていうか、充分理解できるイベントです。いろんな人が自分の本を売っているという。
考えてみれば、高校生ぐらいのときからワープロで印刷した読み物をホッチキスで留めて友達に配っていたりしていたわけですから、その延長で参加しておけばよかったかも。アダルト二次創作のイメージが強すぎて二の足を踏んでいましたが、そればっかりじゃないですしね。
いずれ出店しようという立場からだと、本の見せ方、並べ方がとても参考になりました。行く前は本を10冊ぐらい持っていって適当に重ねて置いておけばいいだろうぐらいに思っていましたが、これだと「やっぱ、売れないな、ははは」と斜に構えて呟く惨めな結果に終わるだろうなと。売り上げが惨めであっても、「ディスプレイ的にはやれることはやったから仕方ない」と呟いて終われるようにしたいです。
会場内でメルフレの表紙を描いていただいたもみのはさんにお会いしました。31日を選んだのはもみのはさんが出店されていてご挨拶させていただくためだったんですが、そこでコミックマーケットとは違う『コミティア』という、やはり東京ビッグサイトで行われる同人誌即売会への参加を勧められたので、今のところ、そうするつもりです。確か5月5日だったかな。
先日、同人誌になにを書くかはもう決めていると記しましたが、400字詰めで50枚程度の小説を三本、一つは『クローズド・サークル』のその後、例の二人がまたしてもクローズド・サークルで行われる殺人事件に遭遇する話、もう一つはネットが大いに絡む、とある公的組織を舞台にしたコメディタッチのミステリ、三つ目はやはりネット絡みで高校生が主人公の話になります。三つ目の小説のテーマは“ライトノベルを書く”ってことになりますね。でも全部予定です。