先日、ある本を読んでいたら、ふと、ギリシャ神話に出てくるイカロスのことを思い出しました。ロウでかためた鳥の羽をつけて幽閉されていた塔を飛んで脱出したけど、飛んでいる自分に酔って「俺はどこまでも高く飛べる!」って感じで太陽に近づきすぎたらロウが溶けて墜落したっていう彼です。
で、確かこの人の歌があったけど、あれってもとはなんなんだろうと疑問に思いました。悲しげな旋律なんだけど詩が前向きでドラマティック(むーかーしーギリシャのー イカロースーは~~~~という歌い出し)で、小学生のときによく歌わされて「ボクも頑張る!」って感じで感動してしまうアレです。
調べてみたら、NHKの『みんなの歌』で流されていた歌なんだそうです。タイトルは『勇気一つを友にして』。タイトルからして前向きですよ。作詞も作曲も日本人で、僕はてっきり海外の曲に日本語の詩を当てはめたものだと思っていたので意外でした。
そのあと、検索の流れでピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel de Oude)という画家が描いた『イカロスの失墜(De val van icarus)』という絵を見ました。
↑これなんですけどね、勇気一つを友にしてどこまでも高く飛ぼうとし、大勢の注目を集めたイカロスはどれかっていうと、
↑これですよ。
みんな、もう別の方向見てるか気にも留めてませんよ。
なんだろう、この、イカロスのエピソードを含めた絵全体から漂う既視感……そう、これはあれ……ちょうど10年前のテキストサイトブームと、その後の(以下略)。
まあ、こうなってから再構築していくのが面白かったりするんですけどね(イカロスは死んじゃったけど……)