2008-1-30 Wednesday

夜中に考えた“すごいこと”は朝になるとどうでもよくなる。そんな感じのミステリ。

 午前3時ぐらいまで起きていて、そのとき偶然なにか見たことをきっかけに考えたこと、思いついたことがものすごいことのように感じることはないだろうか。偶然見た“なにか”がとてつもなく運命的なものに思え、自分がこの考えを発展させて成功してテレビに出たら必ずエピソードとして語ってやるという、そこまで思いを巡らせることはないだろうか。そして、「もう眠いから明日整理するけど、整理したらとんでもないことになるぞ」と思い、朝起きて思い出そうとしても思い出せないし、たまに思い出してもなにがすごかったのかわからないということもないだろうか。

 私は半年ぐらい前の夜中、TSUTAYAのアダルトコーナーに入ってDVDのパッケージを見ながらピーンと思いついたことがあった。

「アダルト関連の知識が極めて豊富な人間が、その知識をいかして事件を解決するというミステリってすごく面白いんじゃないか……」

 ちなみにアダルト関連の知識というのは、官能小説的なものではなく、小ネタというのかどうでもいいというのか、彼女すらいない独り身の男性が蓄える脇の知識といえるようなものだ。
 官能とミステリではなく、AV(……の脇の知識)とミステリの融合。映像ではなく内容で地上波でのテレビドラマ化100%不可という危険性。これは整理したら大変なことになるぞと。

 ストーリーはたとえば――(ちゃんと書くのは面倒なのでシナリオ風)。

男A
「毒殺された被害者が手にしているのはアダルトDVDのようですね」

男B
「まるで抱え込むようにしているな……。このDVD、重要な手がかりか、ひょっとしたらダイイングメッセージのようなものかもしれん。ちなみに主演は?」

男A
「吉沢明歩、という女優みたいですね」

男B
「アッキーか……」

男A
「ご存じなんですか?」

男B
「もともとはレンタル物で疑似――これは実際に男性器を挿入していないということだが――プレイばかりだったのだが、セルに移ってから本番、つまり本当にセックスを行うようになった、現在のトップAV女優の一人だ。ちなみに、俺はこの、最初の頃は疑似でキャリアの途中から本番というパターンが一番好きだ。もったいつけてその先があるというのがな。追いかける楽しみがあるのだ。このパターンに当てはまるのは、最近だと桃瀬えみる、昔だと金沢文子、岡崎美女辺り、更に昔だと諸星美奈だな。引退時は日下部レイという名前だったが。村西とおると絡んでいた“さえきとも”時代も本番だといわれているが、俺はこのビデオを見ていないのでなんともいえない。次に好きなパターンがデビュー作だけ本番であとは全部疑似というパターンだ。業界慣れしていない初々しい時期の本番というのがいいのだ。浅倉舞とか星野ひかるがそうだったといわれている。最初こそ本番OKという契約をしたけど、本当にしなくてもいいらしいということがわかってから契約を本番NGに切り替える女優もいると俺は踏んでいるので、疑似女優を好きになったら、とりあえずデビュー作を見ることにしている」

男A
「はぁ…吉沢明歩からどんどん離れていった気がしますけど、なんか長々とありがとうございました……。参考までに、その疑似とか本番とかっていうのはどうやってわかるんですか? モザイク入っているじゃないですか」

男B
「今のモザイクは昔と比べて段違いに薄い。挿入部分が完全に確認できるので判断は簡単だ。ビデオ時代の作品だと判断基準は人によって違うと思うが、俺はオーソドックスに射精時に男優がゴムを外すかどうかを見ていた。外したとき、パチンという音が聞こえてくるのだ。たまに制作側がこの判断基準を利用して疑似を本番に見せかけることもあるがな。たとえば、秋菜里子のデビュー作がそうだった。仰々しいほどゴムを外す音を入れていたが、あれは100%疑似だ。まれにゴムなしで本番を行っているというケースがある。昔だったら、きららかおり、マイナーだが弓月杏里という女優もそうだった。この場合、ゴムを外す音は当然聞こえないが、本番なのは絶対にわかる。なぜなら、カメラ、そして男優が“この絡みは本番ですよ”というアピールを行うからだ」

男A
「あぁ、そうなんですか…。で、話を戻しますが、この部屋には他にもいろいろとアダルトDVDがあるのに、被害者はなぜこのDVDを手にしているんでしょうね。これが一番高価とかなんですかね」

男B
「いや、それはない」

男A
「え、どうして言い切れるんですか?」

男B
「棚の中にアロマ企画のDVDがあるからだ」

男A
「アロマ企画?」

男B
「メーカーの名前だ。アロマ企画の作品は鼻フック物、咀嚼プレイ物などフェチ度が高く、買う人が限られているという意味では某ゲームメーカーの作品に似ており、販売戦略もまた似ている。値段をいくらにしても好きな奴は買う、そういう戦略だ。あまりレンタルに出てこないので本当に買うしかない。そしてレンタルに出ないからこそ値段通りの価値があるといえるのだ」

男A
「なら、一番好きな女優が吉沢明歩だったのかもしれませんねえ。それで死ぬ間際に思わず手にしてしまった」

男B
「……」

男A
「手に取って……ひっくり返して……え、なにを見ているんですか?」

男B
「わかった! このDVDの意味が!」

男A
「えっ!?」

男B
「これはダイイングメッセージが書かれた場所を示しているのだ!!

男A
「ええええええっ!?」

男B
「いいか、吉沢明歩は現在、S1とマキシングの作品だけに出ている」

男A
「S1とマキシングとはなんですか?」

男B
「アロマ企画と同じくメーカーの名前だ。ちなみにS1は他のメーカーと違って企画物は撮らない。単体女優の作品しか存在しない、それが売りのメーカーだ」

男A
「企画物……ですか?」

男B
「バラエティっぽいAVの総称だ。単体女優物、つまり、女優の絡みを中心に撮る、女優ありきの作品とは違い、まず企画ありきなのだ。買う人間も女優の誰それが出ているからという理由では買わない。この企画は面白そうだということで買う。企画物の代表例となると、ソフト・オン・デマンドの自社新卒社員物辺りだろう。女性新卒社員たちが日頃自社の作品を買ってくれている素人男性を接待するという名目でセックスを行うという流れだ。出ている女性社員は本当っぽくなになに課の誰それなどと呼ばれているが、実際は企画女優という、企画物専門に出演する女優たちだ」

男A
「はぁ…。で、ダイイングメッセージというのはどこに……?」

男B
「被害者が手にしているのは、S1ではなく“マキシング”の作品だ。吉沢明歩主演のS1の作品もたくさんあるのに、彼はあえてマキシングを選んだ。ここがポイントなのだ」

男A
「と言いますと?」

男B
「いいか。S1を始め、アダルトDVDはDVDなのにいつまで経っても画面比率が4対3、つまり普通のテレビに合わせているのだ。ところがだ。マキシングはアダルトメーカーでは珍しくハイビジョン撮影を行っている。つまり、映画のDVDと同じく画面が16対9の比率になっている」

男A
「話が見えてきませんが……」

男B
「まだわからないのか。この部屋にあるテレビはハイビジョンテレビでもワイドテレビでもない、普通のブラウン管テレビ。ということは、この吉沢明歩のDVDを映すと上下に黒い帯が出ることになる。画面比率を16対9にするためにな。この黒い帯がポイントなのだ。黒い帯だから見えるのだ、ダイイングメッセージが――」

男A
「ああっ、ブラウン管に付着したほこりの上から指で書いたメッセージが、黒い帯のおかげでくっきりと見える!

はんにんはやまだ

 やっぱり駄目だ。

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2008-1-29 Tuesday

あのMattが知らない間に日本に来ていた!

 先日、NHKの番組を見ていたところ、「Where the Hell is Matt?」のMattが出演していた。Where the Hell is Matt? については、以下の動画がすべてを物語っている。


 で、そのMattがただ日本の番組に出演しているというだけではなく、“スタジオ出演”していた。
 え、日本に来ているってことか? と思って見続けていると、日本に撮影しに来たというのだ。Mattのブログはちょこちょこ読んでいたので、新作が世界各地で、その土地に住んでいる人たちと踊るというようなコンセプトだというのは知っていたが、日本で踊ったということは撮影場所に行けば一緒に踊れたということなのか?
 番組終了後、悶々としていると、以下の動画をYouTubeで見つけた。


 やっぱりみんなで踊ってるじゃないか!

 すごいショックだ。1月27日に代々木公園。行けたよ…俺、行けた…。

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2008-1-25 Friday

女性は年下の同性からの“ため口”を容認できるのか?

 私が思うに、大抵の男性は年下の女性(いくら下でも)にため口をきかれても特になんとも思わないのではないだろうか。
 自分がした馬鹿話に対し、知り合いの妹の友達といった関係の女子中学生や女子高生が「え、まじで? キャハハハ」と返してきても、ある程度気心の知れた部下の女性社員が「あははは、ほんと?」と言っても、「本当“ですか”だろ?」とつっこむことはないような気がする。むしろ若い女の子に受け入れられたと嬉しくなってくるかもしれない。
 しかし、これが年下の男性に言われたということになると、仮に部下の男性社員に顔を思いっきり近づけられ、「まじで? あはははは」なんて言われようもんなら、酒の席であれどこであれ、「本当“ですか”だろ?」と襟首つかんで説教のひとつやふたつしたくなるのでは。

 なぜなのかというのはいろいろな解釈があると思うが、とりあえず、子孫を残す云々という生物学的な問題で女性はパートナーでありライバルにはならない、つまり上下を強烈に明確にする必要はそれほどないが、同性(男性)はライバルであり、どういう根拠であれある一群の中で上にいれば有利なので、上にいる人間が下の人間にそれを打ち破られそうになると強く反発すると、まあこんな感じなのではないだろうか。

 で、ここから以下が最近ずっと疑問に思っていることなのだが、女性はどうなんだろうか。仮に28歳ぐらいの女性がいたとして、学生や年下の男性社員にため口をきかれた場合と、同性の学生、部下にため口をきかれた場合で思うことは違うのだろうか。

 私のイメージ的に、女性が年下の男性にため口をきかれる構図というのは、

 夕方、会社の屋上で悩む女性管理職
 ↓
 5歳ぐらい年下のかっこいい男性社員(部下)現れる
 ↓
 泣いているところを見られて狼狽する女性
 ↓
 男性、くしゃっと女性の髪の毛を触る
 ↓
 気にすんなよ、とため口
 ↓
 逆光で、かなり引いた構図のコマの右隅に「あり…がと…」(違

 という感じであり、男性同様、年下の異性ならばため口を容認しているのではと思っているのだが、じゃあ、年下の同性ならどうなんだろうという疑問がやはり残る。いや、上記のイメージは経験なんてこれっぽっちも入っていない全部想像なので、年下異性のため口もどうなのかよくわからないというのが正直なところだ。
 疑問を整理すると、

  • 女性は年下異性のため口を容認できるのか
  • 同じく、年下同性のため口を容認できるのか
  • 仮に異性はOKで同性は×という場合、それはそれぞれどのような理由からなのか

 となる。

 いつか答えがわかる日が来ることを期待したい。

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2008-1-15 Tuesday

「目撃証言というのはそんなに信用できないんですよ。だって宇宙人を見たという人がたくさんいる」

 去年、ナショナルジオグラフィックチャンネルでアメリア・イアハート(Wikipedia)の話をやっていて、そこでイアハートは日本軍に捕らえられて云々という説が紹介されたときにテレビの中の誰かがこんな内容のことを言っていた。さらっと言われてどきっとした。
 

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2008-1-05 Saturday

嫌いの下にはどうでもいいがあるという話

 世間はわりと、「好きの反対は嫌いではなくどうでもいい」で話がまとまっているような気がする。嫌いということは興味がある上での感情というのが根拠だと思うが、確かに、たとえばブログの執筆者がなにかしら問題を起こした後、自分だってつらいんですよみたいな話を書いた時、コメント欄に捨てハンで「同情してほしいのかね」とか「この際、閉鎖したらいかがでしょうか」などと記入する人を見ているとほのかな愛のようなものを感じる。「同情してほしいのかね」は「泣き言なんていうな」と書いているようにも取れるし、「閉鎖したらいかがでしょう」は「一からやり直せ」とも取れる。どっちもポジティブだ。
 でも、ブログの執筆者はそういう言葉をなかなかポジティブに受け取ることはできないから、殻に閉じこもったりする。記事も、嫌な言葉を投げつけられたくないので、そうされる前に自分で書いてしまおうなんていう感じのものが増える。更新ができなくてすみませんとか、こんな文章しか書けないんですとか、自分を卑下する前振りをする人は、だいたい、以前、その前振り部分(更新しないとか文章がへたくそとか)を誰かに責められて傷ついた経験があるのではないだろうか。

 いくら時間が経過しても、嫌な言葉を投げつけられた経験のある人は、投げつけた人がいつまでも近くに潜んでいると思っていたりする。なにか下手なことを書いたらまた嫌なことを言われるんじゃないか。だから、殻に閉じこもるか、自分の卑下の方が多いような文章を書き続ける。

 だけど好きの下には嫌いがあり、嫌いの下には「どうでもいい」があるならば、ブログの執筆者を罵倒した人は時間とともにその執筆者のことをどうでもいいと思うのではないだろうか。“愛”が色あせるならば“嫌い”も色あせる。両方とも色あせて残る感情はやはり「どうでもいい」だろう。自分のことをどうでもいいと思い、とっくの昔に去った人間に対して怯え続けるのは時間の無駄である。

 ずっと昔に受けた人の言葉に傷つき、いまだおびえ続けている人は、勇気を持って一歩だけ外に出てみよう。

 そこには、あなたの笑顔をただずっと待っている人がいるかもしれない。

posted by kudok @   | Permalink


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