2008-2-19 Tuesday

世間一般での「ツンデレ」と、自分の中の「ツンデレ」のイメージの違いにようやく気がついた

 近頃、世間一般、特にインターネットではツンデレ云々という話になると、スタンプでも押したかのように「べ、別に○○じゃないんだからねっ!」という言葉が出てくる。
 だが、私は以前から(この言葉、なにかツンデレのイメージとは違うんだよな……)と思っていた。で、最近になってなにが違うのかようやくわかった。

「べ、別に○○じゃないんだからねっ!」という言葉はツンデレの“ツン”だけを表しているっぽいが、実際は木村屋の桜あんぱんの如く、塩(ツン)とあん(デレ=○○部分)がセットになっており、その場で一緒に食べられてうまいのがわかる。塩(ツン)は味(好意)をアピールするための調味料であり、この言葉は男性が美味しく食べられるように最初から配慮されているといえる。それがツンデレだといわれれば、まあそういうもんかなとは思うが、もともとのツンデレ人気にある程度含まれていたであろう「女の子のわけのわからなさ」というものは微塵も感じない。

 私が思い抱く「ツンデレ」というのは、たとえば、会社の男性とは必ず敬語で会話する一歳年上の女性と二人きりで残業していて、自分の方が先に仕事を終えたので、さりげなく時間を潰して彼女を待っていた、ところが彼女は仕事が終わると「それじゃお先に失礼します」といつものように敬語で言って自分だけさっさと帰ってしまった。(え……)と思いつつ、自分も帰宅後、仕事のことで彼女に聞くことがあったことを思い出し、彼女の携帯にかけて「あ、今大丈夫ですか?」と聞いたところ、「うん、平気だよ」などとなんだか嬉しそうに答えてきた、みたいな感じなのだ。
 それじゃお先に失礼しますと、うん、平気だよに見られるギャップ、会社ではみんなに対して敬語なのに自分には携帯でタメ口、しかし、さっきは会社に二人だけでほぼプライベートみたいな空間だったのに敬語、わざわざ待っていた自分に構うことなくさっさと帰ってしまったわりに、電話の反応は悪くない、それらをすべて書きだして計算してもプラスとマイナスがぐちゃぐちゃでまったく解が見えない、大抵の場合、こちらが向けた好意に対して“無視”ではなく“無関心”を返してくる、つまり、ツンの部分がマイナスではなく“ゼロ”であり、意識されているのかどうかはっきりしない、でも、たまにされているような言動もある気がする、たまになのでそのことが自分の中で目立ってしょうがない、このわけのわからなさ、これが私の思うところのツンデレだ。
 解釈の仕方の違いなのかな。
 ただ、フィクションで「べ、別に○○じゃないんだからねっ!」と口にしている女性を見れば、自分の中のイメージとの違いは抜きにして、「あ、ツンデレだな」とは思う。でも、実社会で「別に○○じゃないから」といわれたら、あ、そうとそのまま受け取るだろう。「べ、別に(以下略)」とどもりながらいわれたとしても、言葉通りなのか、それともツンデレなのかなんて多分わからない。当然、言った姿に萌えるなんてこともない。そういう意味で、「べ、別に」は劇場型ツンデレ、私が思い抱いているツンデレは主観型ツンデレといえるのかもしれない。
 ネットにおいて、「べ、別に」は、特定の対象に向けられるのではなく、ネタのオチやキャラクターの性格付けのためのアクセサリとして使われることが多い。言葉の向きが自分になってしまうので、主観的に捉え、結果としてイメージのずれを感じるのだろう。

posted by kudok @   | Permalink

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