2010-11-15 Monday

個人サイトを読んでいるだけで内容とキャラが頭に刷り込まれる男性向けアニメリスト

 今回の記事は重要な前提がある。それは私はアニメにはかなり疎く、もっとも最近、見ようと思って見たアニメはレンタルDVD版の『サマーウォーズ』だ、ということだ。地上波でとなると去年の7月に放送された『東京マグニチュード8.0』まで遡る。つまり、年一、二回ぐらいしかアニメを見ていない。このことを頭に入れて読んでいただければと思う。なお、掲載したジャケット画像はすべてAmazonアフィリエイトのものを利用させていただいた。

 私は毎日どこかしらの個人サイトを読んでいる。何度か書いているが、ここ数年は「はてなブックマーク」の注目エントリーを経由することが多い。
 で、かなり昔から気になっていたのだが、はてなブックマークを経由した個人サイト及びそこからリンクされている企業、個人を問わないサイトの記事を読んでいると、実際に放送されている作品を一度も目にしたことがないのにもかかわらず、頭の中にキャラクターの容姿、話の内容、たまに声優の名前が刷り込まれ、見ていないのに見た気になってしまうアニメというものがある。
 これは私の頭の中で時代別に並んでおり、最新のリストは古い順から、

涼宮ハルヒの憂鬱

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  • 原作もアニメも見たことがない
  • でも主役の涼宮ハルヒがどんな容姿なのか知っている
  • 涼宮ハルヒはツンデレだと聞いた
  • 長門さんという人とキョンというキャラクターがいることを知っている
  • 『ハレ晴レユカイ』という歌が使われていることを知っている
  • 涼宮ハルヒを演じるのが平野綾だということを知っている

けいおん!

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  • 原作もアニメも見たことがない
  • でも軽音部の5人を見て、誰がどのパートかわかる
  • あずにゃんと呼ばれている子が他の部員より年下だと知っている
  • 最初の主題歌は『Cagayake!GIRLS』というタイルであることを知っている

侵略!イカ娘

侵略!イカ娘 3【初回限定特典(ミニイカ娘フィギュア&全6巻収納BOX)付き】 [Blu-ray]

  • 最新のリスト入り作品
  • 原作もアニメも見たことがない
  • でも主役のイカ娘の容姿がわかる
  • 舞台は海の家だと知っている
  • 最近、急激に語尾を「○○でゲソ」とする人を見かけるようになり、恐らくこれはイカ娘関連で、イカ娘がこういう喋り方をするんだろうなと推測している

 となっている。『侵略!イカ娘』と同じぐらい『探偵オペラ ミルキィホームズ』というアニメの話題もよく見かけるのだが、こちらはキャラクターの顔がわからないのでリストから外した。

探偵オペラ ミルキィホームズ【1】 (第1巻スペシャルプライス) [Blu-ray]
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 そして上記のリストを思い浮かべるたびに疑問に思っていたことがある。この『涼宮ハルヒの憂鬱』→『けいおん!』→『侵略!イカ娘』というラインをベースにした場合、『涼宮ハルヒの憂鬱』の一つ前にはなにが来ると考えられるのかということだ。個人サイトで同時多発的に特定のアニメがネタになったというのが、『涼宮ハルヒの憂鬱』以前で頭の中に浮かんでこない。そんなに古い話でもないはずなのになぜか出てこないのだ。『新世紀エヴァンゲリオン』は定義に当てはまっている。私は一度も見たことがないが、話もキャラクターも知っている。リストに入ってきそうだが放送が1995年である。私は1996年の個人サイト界隈ならわかるが、みんながエヴァの話をしている感じではなかったし、涼宮ハルヒの一つ前というには少し古いだろう。

新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 [DVD]
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『涼宮ハルヒの憂鬱』がアニメとして放送されたのが2006年4月で、はてなブックマークが始まったのが2005年2月。ということは、はてなブックマークを基準として考えると「サイトの記事を読んでいると、実際に放送されている作品を一度も目にしたことがないのにもかかわらず、頭の中にキャラクターの容姿、話の内容、たまに声優の名前が刷り込まれ、見ていないのに見た気になってしまうアニメ」の元祖は『涼宮ハルヒの憂鬱』なのか? それとも涼宮ハルヒの一つ前に、私が忘れているだけで同様のものがあったのか?

 疑問をTwitterで呟いてみたところ、

「それはそれとして、『涼宮ハルヒの憂鬱』と『けいおん!』の間に『らき☆すた』が入るのでは?」

らき☆すたOVA(オリジナルなビジュアルとアニメーション) [DVD]
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 というアドバイスをいただいた。おお、確かにそのタイトルはネットで何度も見たことがある。しかし、話もキャラクターもわからない。でもリストに入れるとして、『涼宮ハルヒの憂鬱』の一つ前が相変わらずわからない。その後もTwitterでアドバイスをいただき、このリストはつまり“作品を見ていなくても、ネットの個人サイトを読んでいるだけで内容とキャラが頭に刷り込まれる男性向けアニメリスト”なのではないかということがわかった。もう一歩踏み込むなら、

 ネットで発信力のある個人が好んで記事のネタに使う(または使った)、男性向けアニメリスト

 ということになるだろうか。
 定義ははっきりした。改めて全部書こう。

はてなブックマークを経由した個人サイト及びそこからリンクされている企業、個人を問わないサイトの記事を読んでいると、実際に放送されている作品を一度も目にしたことがないのにもかかわらず、頭の中にキャラクターの容姿、話の内容、たまに声優の名前が刷り込まれ、見ていないのに見た気になってしまう、ネットで発信力のある個人が同時多発的に好んで記事のネタに使う(または使った)、男性向けアニメ

 でも相変わらず「『涼宮ハルヒの憂鬱』の一つ前はなに?」という最初の疑問が解決しない。

 ここで、「その定義であれば『涼宮ハルヒの憂鬱』が最初になり、前というのは存在しないのでは」という返信をいただいた。最初は意外に思えたが、よく考えてみるとこれは充分あり得ることだ。というのもYouTube、ニコニコ動画が始まった時期と『涼宮ハルヒの憂鬱』の放送が始まった時期が非常に接近しているからだ。コアなアニメファンとまではいえない様々なジャンルのサイト運営者たちが、動画投稿サイトで『涼宮ハルヒの憂鬱』を見て記事を書き、それを2005年にスタートしたはてなブックマークが続けざまに拾い、アーリーマジョリティに拡散、流れ流れてアニメにあまり詳しくない私のところまで来たということはないだろうか。

 であるなら“俺リスト”において、『涼宮ハルヒの憂鬱』の一つ前が思い浮かばないのは道理だろう。いうなれば、動画投稿サイトとソーシャルブックマークサイトが「一度も見たことないけど見た気になっている」という少々奇妙な人たちを生むきっかけになったということであろうか。
 加えて、作品の魅力を一枚の絵に込められるアニメーター及びデザイナーの存在。上に掲げた作品、それぞれのジャケットを見ていると詳しい内容も主役以外のキャラクターもわからないのに作品の空気が伝わってくるではないか。ブログやニュースサイトに貼られた、これら、アフィリエイトの画像を何枚も見ていれば、いつの間にか知った気になってしまうというのもまた道理である。

 少々据わりは悪いが、今後「見たことはないけど見た気になった」アニメは着実に増え、リストに加わっていくことだろう。いつか、共通点が見つけられたら楽しいかなあと思う。

posted by kudok @   | Permalink

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