一時はすごく精力的に活動していて人気者のように見えたのに、少しずつ目立たなくなっていって、気がついたらどこでなにをしているのかまったくわからなくなってしまうという人がいる。
たとえば、インターネットで大なり小なりもてはやされた人は大勢いるが、そこから出版や芸能などのエンターテイメント業界に進出して成功した人よりも、進出に失敗し、やがてインターネットでの影響力をも失ってしまった人の方が多いのではないだろうか。
「それって、あんたのことじゃないの」と言われると、
面白くないとわかっていても、このアスキーアートを貼らざるを得ない(一年八カ月ぶり二回目)。
こういう人たち全員に当てはまるというわけではないだろうが、私は、やるべきことの順位をモチベーションの量でつける人、つまり、モチベーション重視型の人は世の中に出てから特に消えやすいと考えている。なぜかというのは、下を見てもらえばわかりやすい。
一般的というのか、普通の価値観でやるべきことの順位をつける人は、
こんな風に、「締め切り」「頼まれた仕事かどうか(報酬の有無)」を順位づけの基準にすると思う。
締め切りを重視すれば、当然、締め切りが近いものほど時間をかけるということになるので、一定のクオリティのものが作れる。
ところが、モチベーション重視型の人は、
上記のように、モチベーションの大小で順位をつけてしまう。
すると、やりたいことだけに時間をかけてしまい、本来、最初にやらないといけないことは、それがやりたくないことであれば放置する。ところが仕事であればいつまでも放置できず、一応取りかかるが、費やせる時間が少ないのであからさまな手抜き、やっつけということで終わらせてしまう。
ここからは、一例としてインターネットで有名になった、モチベーション重視型の人(特定のモデルはおらず、イメージ)を取り上げるが、こういった人はネットでの活動初期、やりたいことだけをモチベーションが高いままで出来るので、この時点ではクオリティの高いものを生み出せる人という認識を世間の人に与えられる。周りからはいいところしか見えない状態と言えるだろう。
そして、一般人だけではなく、生産物や影響力に興味を持った、有力なエンターテイメント業界の人からも注目されて、「うちで仕事をしませんか」と声をかけられる。
ここまではいいのだが、与えられる仕事は、必ずしも自分が興味を惹かれることであるとは限らない。もしそうだった場合、例の“やるべきことの順位のつけ方がモチベーション基準”という悪癖が出てくると、
上の画像のように、やりたくないことを締め切りに追われてやっつけで行った結果、既存のエンターテイメント業界の発信力が大きいため、どのようなレベルの成果物でもお金をかけて宣伝されるので多くの人の目に触れるので、それまで自分を取り巻いていた評判が差し替わってしまう。勿論、一緒に仕事をした業界人の評価も差し替わることになる。
残ったいい評価というのは、昔は有名だったというもので、ここを根拠にアプローチしてくれる人がいるとしても、悪癖が出れば、その後に声をかけてくれる人は更に少なくなり、月日が流れると、才能を発揮していた時期をリアルタイムで見ていた人は現場からいなくなるので、声をかけてくれる人は誰もいなくなる、そして自分の影響力が完全に消滅する、ということになる。
というわけで、もし、エンターテイメント業界で働きたくて、自分はモチベーション重視型かもしれないという自覚があるのなら、プロとして仕事するようになる前に、やるべきことの順位づけの基準を“モチベーション”から“時間”に切り替えた方がよい。うまくできないということであれば、個々の仕事へのモチベーションの持ち方を変えるといいだろう。