2010-6-06 Sunday

私が自著の出版と引き換えに抱えてしまった、いくつかの問題

 昨日、『書籍化される個人サイトのコミュニティが高確率でぎくしゃくする理由』にて、本を出版するということは社会的ステータスを得られる出来事だ、みたいなことを書いたが、実際のところ、普通の人が想像するほどにいいことばかりしかないのだろうか? 本を出してからの自分のこれまでを振り返って考えてみたが、むしろ、ステータスを得る反動で背負い込んだ問題の方が多いような気がする。
 レビューなどでいわゆるフルボッコ状態になる場合がある、ぐらいは作家志望の人なら誰でも覚悟していると思うが、作家になってみないとわからない、同人界隈でいわれるところの「地味にHPを削られる」様々な問題を箇条書きしてみることにする。

自分がいない所で「あの人、今なにやってるんだろうね」とネガティブな感じで話題になる

 なまじ本を何冊か出してしまい、自分は物書きになりましたといってしまうと、毎年、コンスタントに本を書いていかないと「最近、話聞かないけど、あの人、今なにやってるんだろうね」ということになり、いわゆる“いい年をしてなにをしているのかよくわからない人”にしか見えなくなるので、周囲に与える急落感がものすごい。たまに知人に会うと、うまく話題を切り出せないと困惑している様子がびんびん伝わってきて、こちらの方が申し訳なくなる。

自分のことを誰も知らないので自著を名刺代わりにしづらい

 自著を出すメリットして、本を名刺代わりとして使えるというのがある。確かに、有名な出版社の名前と共に自分の名前が入っている本はインパクトがあるが、それを出せない場合の方が遙かに多く、たとえば、以前、初対面の人に話の流れで「僕が本を出したときに~」と口にしたら、即、笑顔で「あ、自費出版で?」と合わされた。
 高名な文学賞を受賞したことのあるベテランの先生の日記で、「精神科医に『実は自分は小説家なんですが』という話をしたら妄想だと思われた」というエピソードを目にしたことがあるが、興味のない人相手でも自分をプロとしてアピールできるのは一般レベルで名前が知られている人だけなんじゃないかと思う。

ブックオフの100円の棚に自分の本が置かれていると寂しくなる

 つまらなかったのかな……面白かったら手元に残すよな……100円の棚にあるなら買い取り価格は10円だったのかな……俺がやったことは10円の価値しかなかったのかな……のらくろガムと同じだな……ギザジュウより価値ないよな……と、どんどんネガティブな気持ちになっていく。

本を出したことを黒歴史だと思われる

 私のことを物書きだと知った人が、Googleなどで検索して『わたしの彼はハムスター!?』という名前をにやにやしながら振ってくる。私自身は少女小説でデビューしたことも、『わたしの彼はハムスター!?』を書いたことも恥ずかしい過去だとは微塵も思っていないのだが、周囲の人間は黒歴史だと思っているらしい。ただ、テンションが高かったり、勢いで出たような本は中途半端に古いとなんともいえない哀愁を漂わせてしまうので致し方ないところではある。
 中学生の頃、学校の休み時間、「俺が書いたんだけど読んでみてくれないか」と渡した小説をわざと大きな声でたどたどしく音読し始めた同級生のように、向こうが私を相手に羞恥プレイを行おうとしていることはわかるのだが、その気がないのでうまく話を合わせるのが難しい。

というわけで

 いいことばっかりじゃないよというお話しでした。

posted by kudok @   | Permalink

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