身の回りの出来事系エッセイ-23 勧誘電話

1997年12月15日執筆


 特命リサーチ200Xを観ていると、電話がかかってきた。
(なんなんだよ、いいところなのに)
 そう思いながら、受話器を取りに行く。以前なら、私宛の電話は確実にPHSの方に来ていたので、家の電話にかかってくるのは私宛ではないと判別出来たのだが、今はとりあえず出てみないとわからない。
「はい、もしもし工藤ですけど」
「あ、こちら**(←名前忘れた)ですけど、圭さんいらっしゃいますでしょうか?」
(……)
 かなり悪い予感がした。
 聞き覚えのない名前と、妙に明るい声。
 この2つが揃うとまず間違いなく、なんかの勧誘の電話なのである。個人名で電話をかけてくる辺り、エロ本によく載っている『わたしのひとり○っちの写真を、個人名で密送します』と手法は大して変わらない。ちなみにこういう勧誘文句では『わたしのひとりぼっちの写真』が送られてくる可能性が高いので注意しよう。
「あ、僕ですけど」
「あ、圭さんですか! わたし、なんとかかんとか(←会社の名前らしい)の**と申します。今日はご確認のために電話を差し上げました」
「はあ」
「えーと、10日ぐらい前に私どもの会社から電話は参りましたでしょうか?」
「いやー、来てないですけど」
 そう言いつつ、(前にここから何回か電話もらったな。なんか、すっげーしつこかった記憶があるな)と思い、私はいつでも電話を切れる準備に入った。
「あ、そうですか。それは大変失礼しました。えーと、ちょっと確認したいんですけども、圭さんは、現在20代の独身で男性、そしてナイスガイということでよろしいでしょうか?」
「いやー……」
 ナイスガイ。しばらく聞いていない言葉だ。
「なにか違うところがありましたか?」
「いや、ナイスガイかどうかはわかんないんで……」
 いったいどういう情報源からきているのかはよくわからないが、ナイスガイなどという前時代的な言葉が、真面目な口調から出てきたのには心底驚いた。
「あ、そうですか。それでですね、現在神奈川県にお住まいで、バリバリと働いている会社員ということでよろしいでしょうか?」
「さあ……? どうなんですかね」
 私はあっさりと頷くことによって、話を向こうのペースで進められていくのは嫌だったので、そう言って誤魔化したのだが、電話口の女性はちょっといぶかしげな声で言った。
「あのー……大丈夫ですか?」

 おまえが大丈夫かよ

 私はそう言いたかったが、言うとまた余計な時間がかかるので黙っていた。
 それにしても、こういう情報をいったいどこから入手するのだろうか。最近、大阪の業者からも裏ビデオのリストが次々と送られてきたりする。私はエロビデオを借りることはあっても、買うことはないので、彼らのやっていることも無駄なのだが、裏ビデオ業者(しかも、かなりインチキ入ってる)が目をつける、私のデータが載せられている情報とはなんなのか、是非知りたい。

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