身の回りの出来事系エッセイ-41 少女漫画の男の子

1998年10月29日執筆


 少女漫画というのは、その95.95%(推定)が恋愛物のため、ヒロインは勿論のこと、そのヒロインが好きになる男性キャラが特に重要になる。
 このキャラが、「えー、こんな奴のどこがいいんだ?」と100%の読者に思われてしまったら、その漫画はそこでおしまいだ。
 しかし、ほとんどの漫画はそこをきちんとクリアし、少女からの支持を受けている。
 だが、男(特に私)からすると、それらに出てくる男性キャラクターは(俺が女だったら絶対好きになんかならねえよなぁ…)という奴が大多数を占めているのだ。
 はっきり言わしてもらうと、私だったら絶対友達になりたくないような男が、最後、ヒロインと結ばれており(特に読み切り)、まったく納得出来ない。

 どうして、男と女で感じ方が違うのか。特になぜ、男から見ると少女漫画の男がむかつくのか、例を挙げて考察していってみよう。

 まず、こういった男性キャラクターの特徴を挙げてみることにする。

1.髪の毛はサラサラで、体は痩せている。歯並びなど完璧で、「8時だJ」に出演していても驚かない。愛読書は恐らく、ストリート系のファッション雑誌などであり、間違っても「デラべっぴん」や「投稿写真」ではないだろう。

2.特殊体質なのか、汗は運動している時にしかかかない。余計な毛が一本たりとも生えていない。ひょっとしたら、男性ホルモンが欠如しているのかもしれない。

3.成績は可もなく不可もなくといった感じだが、運動神経はいい。リーダーシップを取りたがることが多く、目立ちたがり屋。自分の興味のないことはやる気がなく輪を乱すのに(授業や掃除)、興味のあることにだけは真剣に取り組み、周りが付いてこないと怒る。まさに自己中心的。

 例

「おまえら、やる気あんのかよっ! 体育祭は明後日だぞっ!(彼は応援団長なのだが、クラスのみんながなんだかんだ言って、ついてこないため、キレてしまった)」
「そんなこと言われてもなぁ。俺、塾あるし」
「体育祭はこれで最後なんだぞ!」
「……悪いけど、やっぱ帰るわ。じゃ……」
「俺も、塾あるから」
「あたしもピアノのお稽古あるし……ごめんなさい」
「……ばっかやろうっ!」

その15分後。暗くなったグラウンドで。

「みんな、いなくなっちゃったね」
「……ああ」
「いつからうちのクラス、こんなにバラバラになっちゃったんだろ」
「仕方ねえよ。来年受験だしな」
「……なんか寂しいね」
「……」
「……」
「……俺さ(遠くを見て)」
「うん?」
「いつもおちゃらけてるだろ? 英語の小池(女性教師)からかったりしてさ。成績も特別いいってわけじゃないし。でも、運動会で応援団長になるの、夢だったんだ」
「そう……なんだ(とくん)←彼の横顔にときめいた」
「だから、みんなで応援していて冷めている奴がいるとむかつくんだよ。それで、つい、かっとなっていろいろ言っちゃって……。あいつら、戻ってきてくれるかな」
「大丈夫だよ。きっとわかってくれる」
「だといいけどな」
「ねえ、松下君。これ、作ったの」
「え?」
「はちまき。ちょっと下手くそだけど、応援する時はこれをして」
「……さんきゅ」
(くしゃ)←ヒロインの髪の毛を触った

 嫌いな授業はまともに聞かず、妨害までするという有様なのに、自分の好きなことにだけは真剣に取り組み、同調しない人間にはキレる。私が同じくクラスにいたら、間違いなく対抗キャラ一番手に名乗りを挙げるだろう。

4.エロ本を「うおお、すげー!」とか言いながら、学校でこれ見よがしに見る。だが、それを持って帰ることはない。ようは、同じ立場(クラスメイト)の人間の前でエロ本を見ることにより、「俺はおまえらよりマセてんだよ、大人なんだよ」ということをアピールし、クラス内での立場を上げようとしているのだと思われる。

 例

「うおっ、まじかよ、これ!? この胸すっげぇ」
「また、いやらしい本見てるの? もう、先生に怒られるからやめなよ」
「うるせえなぁ、ほら、おまえも見ろよ」
「(かあぁぁぁっ)」
「おまえの胸と比べると、ほんとおっきいよな」
「ばっ、ばかぁっ!!(本を男に押しつける)」

 女に気にされたい態度がミエミエで、下手すりゃただの女好きだ。女性はよく、「あの女、男の前だと大きな声で喋るのよねぇ」と、男好きのする女の子に対し陰口を叩いていることが多いが、男も、女の前(たとえ、特定の個人に対してであっても)になるとひたすらちょっかいを出す奴というのは、見ていて結構いらつく。

5.好きな人をからかうことでしか愛情を示せない。

 例

「あ、こいつチョコ持ってきてるぞっ!(2月14日の話)」
「あ、ばかっ、人のかばん勝手に見ないでよっ!(あせっ)」
「いやだね。このチョコレートは誰にあげるのかなぁ?」
「もう、見ないでったら!」
「ん、なんだ、手紙があるぞ。えーと、名前は……」
「(かあぁぁぁっ)」
「……こ、これって(自分の名前が書いてあった)」
「ばかっ! あんたなんてだいっきらい!(教室飛び出す)」

 それから10分後。屋上で。

「(ああ、もう恥ずかしくてあいつに顔合わせられないよっ……)」
「洋子……」
「(とくん)」
「ごめん……俺……なんか、驚いちゃって……」
「……もういい。……ああ、なんかせいせいしちゃった。あたしらしくないよね、こんなに女の子っぽいの(自分の頭をコツンとぶつ)。うん、平気だよ。これからはまた喧嘩友達として仲良くしてね」
「……洋子……俺」
「……」
「ずっと言えなかったけど、俺」
「(どきんっ)」
「洋子のこと、好きだ!」
「(かあぁぁぁっ)」

 勝手にやってくれ。

 とまあ、こんな所だろうか。特徴を書けば書くほど、ヒロインが彼のどこに惹かれているのかさっぱりわからない。
 男からすると、とにかく扱いにくそうで、自己中心っぽく、幼児性が滲み出ていて相手にしたくないタイプだ。どことなく、女子中高生が、うちわに名前書いて応援している人たちにはまっている気がする(みんながみんなそうではないが)。
 ただ、こういう男性から見れば、自分みたいなタイプは好きになれないと、こんなに一生懸命力説している私こそ、相手にしたくないタイプだろう。

 まとめると、女性が「いい男」だと思う男性と、男性が「いい男」だと思う男性はまるで違うものだということが、書いてみて改めてわかった。
 今後の参考にしていきたい。

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