身の回りの出来事系エッセイ-56 アニメ好きの女の子が使う語尾
2003年5月29日執筆
昨日、ガールフレンドが出来たという羽賀君(仮名)のおめでたい話を聞きながら、なんとなくBSマンガ夜話を見ていた。取り上げられていたのは竹宮恵子の「風と木の詩」で、司会が視聴者から届いたメールのようなものを読んでいた。
「○○さんからのお便りです。『風と木の詩は大好きな漫画でした! (中略) それってどういうことじゃーーーと思いました』」(内容に関して記憶がほとんどないのでかなりいい加減だが、こんな感じだった)
(そうなんだよ)
私は思った。
(どうして、漫画好きの女の子は手紙において、普通の女の子だったら『それってどういうことなの?』と書くところを『それってどういうことなんじゃーーー』などと表記することが多いんだろうか)
駐車場特設リングで「どこよそ見しとるん“じゃーーー”」と叫びながら、悪役女子プロレスラーがミスなんとかから花束を受け取った善玉女子レスラーにドロップキックをするなら違和感はない。だが悪役女子レスラーが私生活でそのような言葉を使うことはなく(聞いたわけじゃないけど)、
- 黒髪をカラーゴムかなんかで簡単にまとめている
- 自己紹介が「人見知りするけど、仲良くなるとうるさくなります(汗)」
- アニメと漫画が好き
- おとなしい性格で男子とはあまり喋らない
- 手紙を書くのが好き
という平凡な女の子に限って、
※みかちゃんフォント使用
こんな感じの手紙を友達に書くのだ(微妙に年寄り言葉を使うことも多いというのもあるが、これについて語ると話が長くなるので今回は流す)。なぜという疑問が頭を駆け回る。
考えてみた結果、私はやはり、鍵は“アニメと漫画が好き”にあると思った。シティーハンターの槇村香に代表されるように、アニメに出てくる女性は「○○○なんじゃーーー」という台詞が多いのだ。
アニメでよく聞く女性キャラクターの“じゃ”系台詞
- おまえ、なに言うとるんじゃーーー(主人公が16歳ぐらいの少女を口説き始めた横で)
- なに、気安く触っとるんじゃーーー(主人公がどさくさにまぎれて体を触ってきたので、ハンマーのようなもので殴りながら)
- 我、鬱陶しいんじゃーーー(媚びてきた主人公を思いっきり足蹴にして)
※気のせいか、すべてにおいて棒読み口調の場合が多い。「じゃーーー」ではなく「じゃいーーー」の場合もあり
ドラマで松嶋菜々子が「なに、気安く触っとるんじゃーー」と言っているのは聞いたことがないし、この先も聞くことはないだろう。
なぜ、アニメに限って“じゃーーー”なのか。先ほどシティハンターの槇村香に代表されるようにと私は書いたが、シティハンターがテレビ放映される以前からこの言葉の使い方はあったように思う。記憶を遡って出てきたのは高橋留美子の漫画だ。正直な話、私は高橋留美子にはまったく興味がなく、彼女の漫画もアニメもほとんど見たことがないので正しいかどうかわからないのだが、『うる星やつら』の女性キャラが、「○○○なんじゃーーー」という話し方をしていたような記憶があるのだ。
もし、私の記憶が正しければ、“じゃ”系台詞を生み出した(あるいは広めた)のは高橋留美子ということになる。そして、高橋留美子に影響されたアニメクリエイターたちが自作の女性キャラにも“じゃ”系台詞を言わせ、結果的に、アニメと漫画が好きな女の子が「○○○なんじゃーーー」という言葉を使い始めた、ということになる。
書いていて「ほんとかな?」と自分で思った。もし、「いや、それは違う、実際の理由はこうだ」というのがあれば教えていただきたい。