ネット話系エッセイ-13 ♪について
1999年8月26日執筆
ネット上で、わりと昔からよく見かける記号の一つに「♪(8分音符)」がある。
で、これを自分のページの日記や女性ページの掲示板で連発している男性が結構いる。例えば、
日記の場合
皆さん、こんにちは♪ まだまだ蒸し暑いですね(^^; 最近、ミニストップで売っているソフトクリームをよく食べているんです。美味しいですよ♪ 店によって量が違うんですよね。クリームをたくさん入れてくれるところもあれば(^^)、少ないところもある(TT) でも、美味しければまあ、いっかって感じです♪
書き込みの場合
ひとみさん、こんにちは(*^^*) この間のオフではお世話になりましたm(__)m あの後、思わずひとみさんが好きだと言っていた「Nina」のファーストアルバムを買ってしまいました♪ 聴いてみたけど、ジュディマリのYukiちゃんがめっちゃキュート♪ いや~、通勤のお供になりそうです(^^) でも、カラオケでのひとみさんも超キュートでした♪ 最後、デュエットしてくれた時はもう緊張でがちがち(^^; だけど、ひとみさんの柔らかい腕がおいらの腕に当たって最高♪
迷惑じゃなかったら、今度、携帯に電話しま~す(*^^*) ♪♪
2つの文章に共通して言えるのは、「書いた人間が、なんとなく人畜無害な感じがする」ということだろう。♪が効いているのだ。♪が文中に多数あるせいで、
- いい人そう
- さっぱりした性格をしてそう
- 優しそう
- しつこく言い寄ってくることはなさそう
- 取り巻きで終始してくれそう(ネットアイドルの皆さんからすると重要)
- 告白を断っても笑って終わりにしてくれそう
- メールを送ってもめんどくさい関係に発展することはなさそう
以上のようなイメージを一部の女性に持たせることが可能なのだ(ちなみに、すべての項目において『なんとなく』が付く)。
なぜそういうイメージを持たせることが出来るのか。
♪には、音楽に対する印象や好感度の高さから、協調、優しさといった人間関係におけるプラスの雰囲気が存在しているためである。
「死ね♪」
「おまえが死ねよ♪」
「殺すぞ♪」
「殺せるものなら殺してみろ♪」
上のようなやりとりでさえ、♪が付くことによって悪意が消え(すべてではないが)、馴れ合いなのかなんなのかよくわからない、愛情のようなものが漂う。
日記や掲示板の書き込みを通して女性に好かれたい、よく思われたいという場合、マイナスを取り去ってくれる♪の使用は非常に有効なのである。
もし、掲示板の書き込みに「♪」ではなく、「!!」が多くあったら、
ひとみさん、こんにちは(*^^*) この間のオフではお世話になりましたm(__)m
あの後、思わずひとみさんが好きだと言っていた「Nina」のファーストアルバムを買ってしまいました!! 聴いてみたけど、ジュディマリのYukiちゃんがめっちゃキュート!! いや~、通勤のお供になりそうです(^^) でも、カラオケでのひとみさんも超キュートでした!! 最後、デュエットしてくれた時はもう緊張でがちがち(^^; だけど、ひとみさんの柔らかい腕がおいらの腕に当たって最高!! 迷惑じゃなかったら、今度、携帯に電話しま~す(*^^*) !!
明日にでも愛の告白を、メールや携帯で連発して来そうな雰囲気になってしまう。
こうして考えてみるとやはり、下心というマイナスイメージを打ち消してくれ、なおかつ、自分の人畜無害さ(仲良くなっても友達止まりだよ~。その方がお互いにとっていいもんね)を強調してくれる♪は一部の女性と仲良くなるために、極めて重要な記号であると言える。
ただ、♪を、女性への文章に多用する男性は、「かなりわかってて使っている(『下心なんかないし、単なる楽しい人だよ、おいら』というイメージを演出しておきながら、『そう思わせて女の心にすっと入っていくのが、ネットナンパの基本だよね♪ って、本に書いてあった♪』といったような)」のが同性、経験豊富な一部女性からはミエミエなため、また、若い女性の掲示板ならどこにでも節操なく出没することが多いため、反感を買うことも少なからずあるようだ。