ネット話系エッセイ-17 会社の同僚のサイトを見つけてもこんなことは言ってはいけない

2002年12月6日執筆


 数多の文章サイトを読んでくれている人たちは、執筆活動やホームページ作成に関して、とても理解があるはず。しかし、この世には、Eメールは知っていても、インターネットで自分の文章を発表している人たちがいるということはよく知らないという人間が大勢いる。ネットを利用しているほとんどの人がそういう人だと言ってもいい。
 普通、そういう人は市販の本は読んでもネットの文章は読むことなく一生を終えるわけであるが、何かの間違いで会社の同僚のページ(文章を中心としたサイト)を見つけてしまった場合、文章サイトに理解がないため、「言ってはいけないことを言ってしまう」という悲劇を起こす可能性が高い。
 ここを読んでいる皆さんには、是非、周りにいるそのような人間に注意して

 会社の人にバレました。閉鎖です

 ということを載せるサイトがなくなるよう、「見つけたか。でも、言うなよ。○○さんに間違ってもこんなこと言うなよ」と伝えるように協力していただきたいと思う。

 まず、同僚のページが創作系サイトだったら。

 ※創作系サイトとは

 小説やエッセイ、コラムなどを載せている。更新は比較的遅い。

テキスト王のトップページ

↑創作系サイトの例

言うと危険な言葉

「ホームページ見つけたよ。市川拓司目指してるんだね

解説

 サイトで小説を書いているからと言って、みんながみんな、プロになってやろうと思っているわけではなく、また、一個人サイト制作者からベストセラー作家という、普通はあり得ないことを、前例が一つあるからと言って闇雲に追い求めているちょっと頭の悪い人みたいに言われているようでなんとなく傷つく。更にサイトにある小説がスプラッタ小説だったりすると、(読んでねえじゃん)と二重に傷つく。○○をやっているから誰々が目標なんだなと決めつけられるのが引っかかる人も多い。市川先生が自分の道を行かれているように、文章系サイト作者も自分の目指す道がある。

 次に、最近増えているニュース系サイトだったら。

 ※ニュース系とは

 巡回ソフトなどを使ってネタを集め、自分なりに面白おかしく紹介しているサイト。変なニュースやらアングラソフトやら一般ニュースやらネットのことやら、とにかくごった煮状態で切り口が一般メディアと違って斬新なので、人気がある。

ニュースサイトの例

↑ニュース系サイトの例

言うと危険な言葉

「ホームページ見つけたよ。なんか、ニュースにコメントとか付けていて久米宏みたいだね

解説

 久米宏にはなんの問題もない。だが、クリエイターの一部は○○みたいだねという言葉を馬鹿にされているようだと嫌う傾向がある。また、ニュースに対してコメントする=久米宏みたい、キーボードを買って演奏する=小室哲哉みたいなど、自分がやっていることを単純に見られることが耐えられない。

 続いて、ややブームが沈静化しつつあるがまだまだ人気のバーチャルネットアイドル系サイトだったら。

 ※バーチャルネットアイドル系とは

 創作した女性CGキャラを前面に出し、彼女にニュースを語らせるサイト。閲覧者との交流が楽しい。

バーチャルネットアイドルサイトの例

↑バーチャルネットアイドル系サイトの例

言うと危険な言葉

「ホームページ見つけたよ。占いの勉強してるんだね

解説

 占いの部分は掴みである。その掴みをまじめに受け取られるということほど気恥ずかしいことはない。そして、お通しを食べた段階でわかったように適当に頷かれ、さっさと帰られたような屈辱感を感じる。また、ネットでのお約束を完全にスルーされるということが、実社会での俺ってなんなんだろう……という悩みを生み出すこともある。

 最後は番外編として、同僚が某巨大掲示板系掲示板に書き込んでいたら

 ※某巨大掲示板系掲示板とは

 いろんな所があっていろんなことが書いてある。オープンな集会所。

掲示板の例

↑某巨大掲示板系掲示板の例

言うと危険な言葉

「掲示板の書き込み見たよ。でも、かっこ悪いがかこ悪いになってたよ」

解説

 書き込みを特定されただけでもショックなのに、こうまでお約束を真顔で指摘されるとなんと言っていいのかわからなくなる。ほんとはネットの俺についてもっといろんなこと知っているのに、知らないふりをしているんじゃないだろうなと疑心暗鬼になってもおかしくない。

まとめ

 人間はだいたい、実社会において自分とはあまり縁がない世界を軽く見る傾向がある。私は一応自分のサイトを持っているから、他人のサイトを見て「このネタをここまで面白くしたのは大したもんだなぁ」とか「このレベルで毎日更新ってほんとすごいよなぁ」と素直に思えるが、ホームページなんてワイドショーに出てくる宇多田ヒカルのページぐらいしか見たことがないという人にとっては、秀逸なネタも毎日更新も、「だからなに?」程度である。
 私に対して、「まだ作文とか書いてんの?」と言った山田君(仮名)も、私のサイトが雑誌で紹介されようが、アクセスカウンタの数字が200万に届こうが、やっぱり、「今度はインターネットに作文とか載せてんの?」なのである。

 文章を中心としたサイト制作者の周りにいる友人の反応なんて、大抵こんなもんだと思う。それでもみんな、親バレ、職場バレ、知人バレを恐れながら、日々書いている。
 いつの日か、文章を中心としたサイトを作っていることが職場の人にばれても、上のようなことを言われて気恥ずかしくなって閉鎖するのではなく、みんな「ちゃんとわかっている」発言をしてくれて、なんだこれなら続けられると思えるような世の中が来ることを祈りながら、今日はこれでキーボードを打つのを止めたいと思う。

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