ネット話系エッセイ-23 最近の文章系サイト

2002年8月15日執筆


 最近、文章系サイトがつまらないと耳にする。

 私がホームページを立ち上げた頃、文章を見せるためだけのサイトなんて数百ぐらいだったし、それを読む人もほとんどいなかった。だから、何を書いても別に何も気にならなかった。昨日書いた留まらないハエの話なんて、くだらな過ぎて俺以外に書くやついないだろうという感じだった。
 ところが書き手が異常に増殖している今、昨日のエッセイも誰かのとかぶっているんじゃないかと思っておっかなかった。近頃、メキシコで男性が性器を間違って切られるという事件があった。確か包茎手術をしようとしたら失敗しちゃったって感じだったと思うのだが、昔だったらこのネタで書く人は10人ぐらいしかいなかっただろう。しかし、文章を読ませるサイトがこれだけ増殖すると、

「メキシコの男性があそこ切られちゃったそうです ハァハァ(;´д`)」(日記系)

「“他人事”おい大変だ、メキシコの男が○んこ切られちゃったってよ“じゃない”」(掲示板)

「●包茎手術のメキシコ男性、誤って男性器を切断される いや~、つらいですね。同じ男として悲しいです」(ニュース系)

「なりすわかんないけどぉ、男の人があそこ切られちゃうってぇつらいんだろうなぁと思いますぅ」(バーチャルなりすスクランブル なりす16歳 目線の入った女の子)

まじでとんでもねぇニュース・・・

切断されたんだって・・・

ちん○が(哀)

(黒バック赤フォント系)

 と数百人単位で書く人が出てくると思う(無責任な男なので、実際どうだったかは知りません)。
 横並びが嫌いな人、オリジナリティ重視の人はかぶるのを避けるために「俺はこう思う」という感じの思想やニュースではなく、街で見た面白い人間といった「ネタ」に走るだろう。だが、ネタはいつか尽きる。苦し紛れにやってると、メールで「最近、いまいちですね。つまらんです」なんていう意見が届き始める。次に過去の経験に頼る。今でも覚えている過去の笑える体験というのは、月日が経っても色褪せていなかったようなエピソードなわけだから、大抵面白い。しかし、書けるような経験もいつかなくなる。そうなると、ネタになるまではいかない現在の経験に頼る。ところが、コンビニに行ったら50円多くお釣りもらったとか、きららかおりのビデオを借りてきたらヘッドにテープが絡まったとか、将来忘れるようなどうでもいい話なので、クオリティは落ちる。
 ニュースは自分以外の人でも書ける、思想は他人とかぶるのが恐い、ネタと過去の経験はなくなった、最近、特に笑える話がない、こうなった時点でホームページを面白くしようとする意欲が薄れてしまうのではないだろうか。

「別に俺が書かなくても誰かが書くだろう(書いているだろう)」

 文章系サイトの数が膨れ上がったことで、こんな思いが多くの才能ある書き手に蔓延しているのだとしたら、そりゃ面白いサイトもなくなっていくだろう。

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