昔の作品系エッセイ-12 ショートドラマ「会社の屋上で」

2001年8月3日執筆


 知歯周囲炎が凄いことになっています。過去経験した中で最大級です。顔はまるでおたふく風邪の患者のようで、悪寒が走り、食べ物はおかゆ(おかずの類は噛めない)しか食べられず死にそうです。
 今日、気力を振り絞って病院に行ったら口の中のあっちこっちに麻酔注射され、針のようなもので膿を出されました。
 原稿の締め切りが迫っていて、口内の洗浄がややおろそかになってしまったために発症したと思われます。
 もし、原稿の締め切りうんぬんではなく、会社の仕事でということだったら、

ショートドラマ「会社の屋上で」

 缶コーヒーを手にした美形の女性が屋上の扉を開け、周囲を見渡す。
 ある一点を見たところでにやっと笑い、ベンチに腰掛けている男に向かって駆け寄る。

女「どうしたんだ、元気ないぞ? ほれ(と、冷たいコーヒーを男の頬につける)」
男「つめてっ……あ、なんだ、先輩か」
女「あれ?(と顔を覗き込み)なんか、ほっぺた腫れてない? ねぇ、ちょっと触らせてよ!(と男の頬を両手でむにゅむにゅと触る)」
男「いたたた、やめて下さいよ、親知らずの周りが腫れて痛いんですから!!」
女「ふうん。そっか」
男「……ったく、みんなからかうばっかりでなんにもわかっちゃくれないんだから」
女「わかっちゃくれないって?」
男「別に先輩に話しても仕方ないし。ほっといて下さい」
女「あれ、今日は反抗的じゃん?(意地悪っぽく笑いながら)」
男「そうですか? じゃあきっと反抗期が来たんですよ」

 その後しばらくの間、無言の時間が流れ、女性は風にあおられた髪の毛などを手ぐしで整える。

女「工藤くん(後ろで手を組んで空を見上げながら)」
男「はい?(ふてくされながら、いぶかしげに見る)」
女「あたしは知ってるよ」
男「なにをですか?」
女「(男に顔を向け、ただ笑みを浮かべるだけ)」
男「(相変わらずいぶかしげに見る)」
女「工藤くんがね(と再び近づいてきて、ぐっと顔を寄せる)」
男「な、な、なんなんですか?(顔を赤くして)」
女「毎日毎日残業して、会社に寝泊まりもして、すごく一生懸命仕事していたこと。親知らずの周りが腫れるのって、そうやって頑張って疲れた時になるんだよね」
男「……」
女「さーてと(と言って突然走り出し、扉の前に行く)」
男「(なにも言わず、ただ黙って彼女を見つめる)」
女「あたしさぁ(風の音に負けないよう、大声で)」
男「えー?」
女「あたし、ずっと工藤くんの事見てるんだからね!!」
男「えー、すいません、聞こえないんですけど! もう一回言って下さい!」
女「ばーか!!」
男「(不思議そうな顔で彼女を見る)」
女「あんたのこと、好きだって言ってるんだよ!!」

男「(かあっ)」

 という展開も期待出来るのですが。非常に残念です。

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