昔の作品系エッセイ-9 ファンタジー小説
1998年9月18日執筆
インターネットには、結構な数の作家志望の人がいる。
で、恐らく文章系ページを徘徊している人の95%が感じていると思うが、やけにファンタジー系小説家志望の人が多い。ヤフーなどでも、カテゴリーを分けてアドレスを掲載しているほどだから、ヤフーに載せられていないページも併せると、どれだけの数、ファンタジー作家志望の皆様のページがあるのかちょっと見当がつかない。
私はああいった感じの、中世を意識したファンタジーはちょっと苦手なので(どれに目を通しても、全部同じに見える)、ほとんど読まず、作品についてどうとかこうとかは言えないのだが、とりあえず言えるのは、『多分、この人たちとは合わないな』ということであり、それは向こうも私のホームページを見て感じていることだろう。
稀に、私の文章も楽しんで下さるファンタジー系の方がいるが、こういう、両方のセンスを持った柔軟性のある人は本当に珍しい。
私が合わないと思うのは、文章に出てくる、そのノリである。
ファンタジー系小説をお書きになる皆様の多数は、雑記の時に使う文章が独特で、☆、~、♪などを多用し、外来語のひらがな表記、適度な幼児言葉を使うといった文体がよく見受けられるのだが、この辺から性格的なノリの違いが鮮明に漂ってくるのだ。
例えば、
みなさま、こんにちはっ☆ わたしはファンタジー小説と新撰組が大好きな、高校生の女の子でしゅ~~~♪
このほーむぺーじでは、わたしが書いた小説(うまくないけど(^^;)をたっくさん載せてま~す☆ もしよかったら、感想くだしゃ~い♪
あ、一応、わたしのプロフィールを書いておきますね☆
ペンネーム 夢騎士 内斗(ゆめきし ないとと読みます)
年齢 16さい(年のわりに若く見られるぅ~~~(^^;)
好きなアニメ るろうに剣心♪
趣味 イラストを描くこと 小説を書くこと
とまあ、こんな感じで、ゲストブックにもこんな感じの人が数多く集まっている。はっきり言うと、入っていけない。
しかし。こんな私でも、以前、宮崎駿監督のアニメ「風の谷のナウシカ」に影響を受けて、ファンタジー小説を書いたことがあるのだ。
原稿に書かれた日付は1984年4月19日。今から14年前、私が13歳の時の作品である。
早速、この衝撃の小説(原稿用紙2枚)を見ていただこう(なお、文章を忠実に再現したため、お見苦しい点があると思いますがご了承下さい)。
タイトル「7人の仲間の物語」
西暦2084年、地球は第四次世界大戦がおきていた。アメリカや、ソビエトは滅び、100年前までは予想もしなかった小国が世界のカギをにぎっていた。その国とはカサビラカという南アフリカにある国とヨークカントという北アメリカにある国であった。
人類はあらゆる武器を第三次世界大戦でつかい、残されたわずかな兵器で戦っていた。
それが、ある時、エジプトで恒星爆破ミサイルが発見された。それがきっかけで世界大戦がおきたのだ。
しかし、その戦争は中立国であるカットブルという(グリーンランド独立後の名前)ところまでおよんだ。そこにはたった三千の人口と、7人の若者がいただけであった。その一人は物理学が天才的にでき、一人は天文学、一人は数学、一人は地学、一人は海洋学、一人は機学(幾何学と書きたかった?)、一人は生物学がとくいである。
さて、しょうかいはここまでにしてさっそく物語へ行こう。
「サトル。超小型戦闘機はできたかい?」
とマイクは言った。すると、まるでまっていたかのようにサトルが答えた。
「ああ。大成功だったよ。ためしにとんでみないか」
「ああ」
マイクは丘の上から飛び上がった。
「うーん。上々のできだ。すばらしい」
いかがだろうか。
いつものように、文法もめちゃくちゃだが、それよりなにより、話がめちゃくちゃである。
まず、エジプトで発見されたという恒星爆破ミサイルなる代物。こんなものをなぜ開発したのか、その意図がまったく見えてこない。仮に太陽を爆破させるものだとして、爆破してどうするんだろうか。
そして一番の問題は、このミサイルは兵器としてまったく成り立たないということだ。なぜなら、地球のどこかにこのミサイルを落としてしまうと、地球が爆発してしまうことになるからである。まさに究極の自爆兵器と言えるだろう。
次に、グリーンランドが独立して出来たカットブル(意味不明)という国。アイルランドではなく、グリーンランドが独立する意図もよくわからないが、この国は中立国なのにもかかわらず、超小型戦闘機なるものを開発して戦争に参加しようとしている。まったく中立国になってない。
しかも、この超小型戦闘機がすごい。私は原稿用紙にイラストを描いているのだが、その図を見ると、人間の手足に羽根とエンジンがつけられており(足から火が噴射している)、両手でミサイルを持っている。
これでは、戦闘機ではなく自爆兵器だ。
結局、私はこの話を2枚書いて投げ出してしまったが、作品を読む限り、その行動は正解だったと言える。
やはり私とファンタジーは水と油なんだろう。