第7回目の法則 いつもは絶対誘いに乗ってこない女をデートに誘って見事に成功したとき、前日に確認の電話を入れると、「やっぱり用事が入っちゃって……」と断られる。
シチュエーション
28歳の男(会社員)と同じ会社のOL(23歳)。男は、女を3カ月ぐらい前から好意を寄せていて、何度かデートに誘ったものの、芳しい返事はなかった。断られる理由は大抵の場合、「忙しい」である。だが、ある日、昼休みになんとなしに「今度海の方へドライブ行ってみないか?」と誘ったら、2分間ほどいろいろ言われた挙げ句「いいですよ」という返事。
そしてドライブの前日、男は時間の確認のために嬉々として電話をかけた……。
男
「あ、もしもし、斉藤ですけど、美奈さんいらっしゃいますか?」
女
「あ、はい、わたしです」←なんとなしに、声が暗い
男
「あ、加藤さん? 斉藤です」←対照的に明るい
女
「はい」
男
「あのね、明日のことなんだけど」
女
「……あのー」
男
「え?」
女
「明日って、確かドライブに行く日でしたよね?」
男
「うん、そうだけど……」
女
「あのー、大変申し訳ないんですけど、急に用事が入っちゃって」
男
「え、用事?」
女
「母が身体を悪くして、私が病院に連れて行かないといけないんです」←大抵、理由は深刻
男
「ああ……それじゃあ無理だね……」
女
「せっかく誘っていただいたのに、ごめんなさい」
男
「いや、しょうがないよ。それじゃまた、会社で」
女
「はい、本当にすいません。それじゃ……」
男
「はい、さようなら」
よくある例だ。女の子は、特に思い入れのない相手との約束は、かなりドタキャン率が高い。
特に迷っている場合、男が上の例のように電話なんかしちゃった日には、必ず、「やっぱ行かない」という方向で話を進めていく。
とは言え、上の例はまだいいのだ。ちゃんと相手に断りを入れる形になっている。問題は下に書いたパターンである。とりあえず読んでいただきたい。
男
「あ、もしもし、斉藤ですけど、美奈さんいらっしゃいますか?」
女
「あ、はい、わたしです」
男
「あ、加藤さん? 斉藤です」
女
「はい」
男
「なにやってたの?」←本題に入る前に軽く
女
「いやあ、新しいプロジェクトの準備を家でやってました」
男
「え、加藤さんの担当の仕事って、そんなに大変だったの?」
女
「もう資料整理をここでやっておかないと、残業の連続になっちゃうので家でしないと」
男
「随分、忙しいんだねー」←なんとなく明日のことを言いづらくなる(罠にはまっている)
女
「もう、めちゃくちゃ忙しいですよ。明日も大変だー」←とうとう、ここで突き放す
男
「あ……そうだね……」←(あれ? ドライブは?)と思うが、言い出せない状態
女
「明日は、まず図書館行って、帰ってからワープロ打って……」←畳み込む
男
「それじゃあ、ドライブなんて行けない……よね?……」←かるーく口に出してみる
女
「え、斉藤さん、ドライブ行くんですか? 余裕ですね」←約束なんてなかったことになっている
男
「いや、そんな余裕じゃないよ」
女
「……あ、ちょっと親が呼んでいるんで、すいませんけど……」
男
「あ、はいはい、それじゃまた」
女
「はい、会社で」←もう自宅に電話すんなよ、と遠回しに
このパターンは本当に最悪だ。あえて忘れているふりをして忙しいを連発しながら、約束自体をなかったことにするという方法である。
女性からすると、結構迷って約束を受けてしまったわけであるが、なにかのきっかけ、たとえば友達から「え、あいつ? あいつはやめといた方がいいよー」と言われたという場合、友達の名前は当然出せないし、うまいドタキャン文句も思いつかない(ドタキャンしても一度話を受けている以上、再び誘われる可能性が高い。これではドタキャンしても意味がない)ので、このような方法を取る可能性がある。
女性というのは、同性の友達に「あの男は嫌な奴だ」と吹き込まれると、特に嫌な目にあっていなくても「嫌な奴だ」と見てしまうことが多い。そうして、今回のように完全にシャットアウトしてしまうわけである。