第8回目の法則 女が男を振った後に言う好意的な言葉は信用出来ない


シチュエーション

 19歳の学生(女)と21歳の学生(男)。二人はサークルが一緒で、たまに飲みに行ったりすることもある。男は以前から女に対して好意のあるところを匂わせているが、女の方はのらりくらりとかわすばかりで明確な回答が得られない。それにじれて、男は「俺はおまえのなんなんだ!」と言ってはいけないことを言ってしまい、二人の仲は急速に離れていく。しかし、これではいけないと思った男が謝りの電話をかけた……。


「あ、もしもし、俺だけど……」

「え? 加藤さん?」

「うん」

「どうしたんですか?」

「この間は、あんなこと言っちゃってごめん」

-10秒ほど沈黙-


「もう忘れて下さい。私も忘れますから」

「……あのさ」

「はい?」

「俺、洋子ちゃんのこと好きだよ」

「……」

「だから、この間もあんなこと言っちゃったんだ」

「……わたし」

「ん?」

「付き合ってる人がいるんです」

「……」

「……」

「……そう……なんだ」

「加藤さんのことは好きだし、一緒にいて楽しいけど……」

「うん」

「彼のこと裏切れないし……加藤さんの気持ちはほんとに嬉しいんだけど、付き合うっていうのはやっぱり無理です……ごめんなさい」

「……そっか」

「……でも」

「……ん?」

「これからも、友達っていう感じだったら、遊びに行ったり出来ると思います」

「……二人で?」

「……んー……はい」

「うん……じゃあまた飲みに行こうよ」

「はい。また誘って下さい」

「うん……それじゃ、また」

「はい。お休みなさい」

「……おやすみ、じゃあ」

 ありがちである。これは私の体験からなのだが、女の子と知り合って仲良くなって、二人でちょくちょく遊びに行くようになった時、「わたし、今彼氏いなくてフリーだから」というようなことを自分から言い出さない女の子には彼氏がいる確率が非常に高い。
 まあ、それはいいとして、「友達だったら……」という言葉。手持ちの辞書を引くと、友達というのは困った時に助けてくれる存在である。確かに困った時になんの手も差し伸べてこない人間っていうのは友達とは言えないだろう。しかし、女性は男性を振るときに簡単にこの言葉を使う。男性はその言葉に期待し、結果、下のような悲劇が起きる。


「あ、もしもし加藤ですけど」←彼女のPHSがずっと留守電で、やっとかかった。ちょっと怒ってる

「……あ、こんにちは」

「ずっと留守電だったね」

「あ、寝てたんで」←あっさりと

「そっか……」←ちなみに彼のPHSは、自分の番号表示モードONである。

「なんですか?」

「ん……、なんか今日、嫌なことがあってさぁ」

「……どんなことですか?」

「いや、香川のやつが、俺のやることに文句つけてさ、参ったよ」

「香川さんって、加藤さんの友達の?」

「そうそう」

「……」

「ほんと、あいつむかつくよ」

「……それをあたしに言って、どうするんですか?

「え、いや、愚痴を聞いてもらおうと思って……」

「あたし、香川さんのことよく知らないし、そんなことあたしに言ってもしょうがないんじゃない?」

「……え、まあ、そうだけど」

「言いたいことは本人に言った方がいいよですよ。あたしなんかに電話してこないで」

「……」

「愚痴りたいなら、友達にでもすればいいんじゃないですか?」

「え、だって、洋子ちゃん、友達……」


え? 聞こえない


「いや、洋子ちゃん、あの、友達」

「あ、すいません、誰か来たみたいなんで、電話切ります。さようなら」

 ツーツーツー……←電話切れた

 女性が発する「友達」という言葉。時に残酷である。ここまでされるなら、「もう会えないけど、今まで楽しかった」と言ってもらって振られた方が何倍もいい。
 女性が男性を振る言葉はたくさんあるが、「あたしなんかより、もっといい人がいる」と、「友達としてだったら、付き合っていけると思う」という言葉はやめた方がいいと思う。本気で友達としての関係を続けていこうというのなら、ある程度時間が経って、振られた側に彼女や好きな人でも出来てからでないと難しいだろう。
 男女の関係で、アクションをどちらかが起こした後の「現状維持」と「キープ」ってのは難しいものだ。

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