2014-2-09 Sunday

成功体験を持つ人が作りがちな負のスパイラル

 久しぶりにサーバを変更した。ついでに、うちのサイトをいろいろと整理した。たとえば、「今度、こんなことをやります!」と高らかに宣言しておいて放置みたいなものはだいたい削除した。
 で、削除しながら、成功体験があり、私のような特定の性格を持つ人は負のスパイラルを自ら作り出してしまう傾向があるなあと思った。

そもそもなんで成功したか?

 成功の定義を「社会に受け入れられ承認欲求が満たされた」とする。そして、この承認欲求はお金で買えるものとする。お金というのは隠喩であり、作品、会社、努力、時間、質、そういったものをひっくるめたものだ。
 社会的な実績がまったくない人が承認を買うためには、まとまったお金を用意する必要がある。たとえば、小説家として認められたいのであれば最低限、「完成原稿」というお金が必要だ。
 つまり、成功体験のある人は最低一回充分なお金を用意出来た人なのだ。

成功後

 社会に認められると信用が出来る。信用が出来ると信用手形を発行出来る。そして、その信用手形で人々の承認を買えるようになる。たとえば、デビュー作がミリオンセラーになり、ドラマ化、映画化もされた小説家がいたして、彼が「続編を書くかも」とツイッターなどで呟くだけでわあっと話題になる。
 ある種の人たちにとって、人々に承認されるということはとてつもない快感を得られることであり、出来るだけ頻繁に承認を買いたいと考える。ところが欲しいだけの承認を買うためには充分な現金が必要だ。しかし、多額の現金を用意するにはかなりの時間がかかる。ではどうするか。様々な理由でお金を用意出来ない人は、より少ないお金で承認を買える以下のような信用手形を連発するようになる。

「新しいことをやります」
「またサイトを更新していきます」
メールフレンドの更新を始めます

信用手形連発後

 通常の現金取引よりは元手がかからないとは言え、信用手形でもそれなりのお金は必要だ。手形をすんなり受け取ってもらうためには、信用を受けられそうな何かを作っておく必要があるからだ。
 結果、うまく行けばいいが、自力で現金を用意する気のない場合はだいたい失敗する。どう失敗するのかは以下の通りだ。

 とりあえず見せ金として現金10万円を用意するか、10万円で何かを作る
 ↓
 10万円(の何か)を掲げながら「新しいことをやる!」と宣言し、1億円分の承認を得ることを目指す
 ↓
 だが用意した現金より少ない承認しか集まらない
 ↓
 承認(=モチベーション)を運転資金にしようとしていたので計画が頓挫する

 用意した現金、つまり、アイデア、労力、時間を失い、おまけに信用も徐々に失っていく。そのため、一層、信用手形に頼るようになる。ここから、負のスパイラルに巻き込まれる。

 また、信用手形には致命的な問題がある。それは、自分のことを信用していない人には使えないということだ。
 私を例に挙げると、私は十代の人の承認を買ったことがない。だから、彼らは私のこともテキスト王というサイトも知らない。彼らが二十代になり、社会に影響を持つようになったとき、私がいくら信用手形を渡そうとしても当然の如く彼らは無視する。次の世代も、その次の世代も同じだ。信用手形しか発行しないのであれば、このようにして社会への影響力が消えていく。

じゃあどうすればいいのか?

 答えは簡単で、どれだけ時間がかかっても相応の現金を用意し、現金取引で再び承認を買うしかない。
 相当な預金、つまり実績がなければ利息はないので、現金を作っている間、承認を買うことは出来ず社会から消えるだろう。だが、消えることを恐れて信用手形を乱発すれば待っているのは上記の惨めなスパイラルだ。

 信用手形を連発して承認を得続けている人もいるかしもれない。しかし、次世代以降の承認を買いたいのであれば現金取引しかない。世代を超えて承認され続けたいのであれば彼らをうらやましがってはいけない。

posted by kudok @   | Permalink

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